統合医療勉強会

2024年9月21日

自民党県議員団の中には様々な議員連盟があり、団体の皆様との会合や勉強会を開催しています。本日は日本統合医療学会理事長補佐で国際委員長を務められている鈴木清志先生をお迎えして、統合医療の勉強会を開催しました。テーマは「日本の統合医療とMOA活動」で、最近の病気の特徴と統合医療導入の動きや、医療モデル・社会モデルとその効果等をお話いただきました。

 

医療において、東日本大震災や新型コロナ感染症流行により西洋医学の限界が見えてきたそうです。震災では建物や設備が無事でも、電気と清潔な水がなければ病院が機能しない、コロナでは初期に有能な治療法がなく、病院に通えず持病が悪化したり、出かけることができないので引きこもりや飲酒・体重増加の人、認知症が進行した人が増えてしまったという結果が出ました。

 

そこで西洋医学だけに頼らず、統合医療も併せて健康を維持していくことが重要であると、国会議員の中でも統合医療推進議員連盟が結成されました。ハイテク技術に頼らず、種々の方法を組み合わせて治療効果とQOLの向上を目指す「医療モデル」と、コミュニティで互いのセルフケアを支え、収入、地域差などによる健康の社会的格差の是正を目指す「社会モデル」で、健康長寿を目指します。

 

一言でいうと、医療モデルは「自然治癒力」、社会モデルは「絆」となります。健康格差が小さく、互いに支えあうコミュニティでは世界的に見ても次のような結果が出ているそうです。「病気になりにくい、生活の質が高い、医療費が安い、出生率が高い、健康寿命が長い、犯罪率や自殺率が低い、就学率や就業率が高い、経済成長率が高い」が、健康長寿社会の実現のための哲学です。

 

鈴木先生からは、特にコミュニティの重要性のデータから「町内会や趣味の会などに参加すると、認知症のリスクは4分の3に低下し、役員を引き受けると約半分に低下する」とおっしゃいました。また社会とのつながりが重要で、「配偶者がいる、友人との交流がある、地域のグループ活動に参加するなどの項目に当てはまる人は、認知症の危険度が半減します。」と言われました。

参加された皆さんが納得のいく内容でした。統合医療についてしっかり内容を理解し、高齢社会を支えていきたいと思います。